みかんワインを製造しているワイナリーは日本各地に数多く存在していますが、最近では既存のものから更に完成度を更に高めた氷結ワインも作られるようになりました。さて、実際にどのような工程を経て、みかんはおいしいワインに姿を変えるのでしょうか。ここではまず一般的な製法を紹介し、その後に氷結ワインの製法を紹介します。
■一般的なみかんワインの製法
①みかんを温泉の蒸気などで殺菌したあと丁寧に皮をむきます。このとき、形状がバラバラで機械処理できない場合は手作業で行う場合もあります。
②みかんを絞りジュースにし、ワインの酵母を植え付けます。
③ろ過した後、半年間ほど熟成させます。
■氷結ワインの特徴と製法
既存のワインおよびその製法にはみかんの糖度の低さや発酵管理などの「技術的な壁」が存在したため、完成度の高い製品を作りだそうとしてもなかなか実現には至りませんでした。しかし、最近ではこれらの問題をクリアしたワインを提供するワイナリーが増えつつあります。
氷結ワインの一般的な製法との具体的の違いはみかんを絞った果汁を一旦凍らせる点にあります。その理由はみかんの果汁と水分が凍る温度の差を利用し、より濃い果汁を取り出すことにあります。この工程を経ることにより実際に使用されるのは全体の40パーセントほどにまで厳選することができるのです。
また、こだわるのは温度だけではありません。凍った果汁が溶けだすスピードがおいしさと関係があるため、果汁を取り出す時期にもこだわります。解凍する際20度を下回る温度が最適であるため、秋から冬にかけて作業できた限られた果汁のみが氷結ワインの原料となるのです。こうして作られたワインはみかんのおいしさが凝縮された濃厚な味わいがします。